油土壌対策サービス

油汚染とは

工場・ガソリンスタンド以外、商業施設跡地も、汚染土壌として対策されるケースがあります。

油汚染は土壌汚染対策法で定められている有害物質ではありません。 しかし、油膜油臭という見た目、臭いの不快感という観点から最近ではガソリンスタンド以外でも工場や商業施設跡地の汚染土壌の1つとして対策されるケースが増えています。油汚染は工場だけでなく、大型の施設などでも見られます。その理由として重油ボイラー等からの漏洩というのが挙げられます。

油汚染問題発見の契機

●自身の敷地内の地表や井戸水等に油臭・油膜が生じている場合
●周辺の土地または周辺の井戸水に油臭・油膜が生じていて、その原因が自身の敷地にある油含有土壌だと認識した場合

油汚染に対する指針として「油汚染対策ガイドライン―鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方―」があります。このガイドラインでは、油汚染に対する調査・対策の基本的な考え方がまとめられています。

土壌汚染対策法と油汚染対策ガイドライン

名称 土壌汚染対策法 油汚染対策ガイドライン
目的 人の健康被害の防止 生活換気用保全上の支障を除去
対象物質 鉛、砒素、トリクロロエチレン等の
特定有害物質(25物質)
鉱油類:ガソリン、灯油、経由、重油等の燃料油と機械油、切削油等の潤滑油等
調査の契機 ・特定施設の廃止時
・都道府県知事の命令(3,000m2以上の土地の形質変更含む)
・土地所有者等が油膜を発見、油臭を感知した時等
基準値 指定基準、地下水基準 個別判断
特徴 法で定められた調査方法 個別の土地ごとに人の感覚で油臭・油膜を判断する

油汚染対策フロー

汚染問題の存在を認識。鉱油類か否かの確認。油含有土壌の存在範囲の把握。対策方針の策定と目標の設定策方法の選定。対策工事の実施

※上記フローは「油汚染対策ガイドライン」に則った方法であり、必ずしも上記通りに実施しなければならないわけではありません。

分析方法

油臭・油膜の分析は人の感覚(嗅覚と視覚)で判断することを基本としています。人の感覚を補完する手段としてTPH(全石油系炭化水素)分析が行われます。

油臭の測定方法(土壌・水)
油膜の測定方法(ビーカー法・シャーレ法)
主なTPH試験法の比較
名称 水素炎イオン化検出器付き
ガスクロマトグラフ
(GC-FID法)
赤外分光分析法
(IR法)
重量法
(ノルマルヘキサン抽出法)
特徴及び
TPH試験に
おける
留意事項
●定性法では、標準(※)と試料のクロマトグラムを比較することにより、鉱物油であるか否かの判定や油種の判別ができる。
●定量法では、クロマトグラムとして得られた対象範囲の面積を合計して求める。
●高沸騰のTPH成分は、高温側で分離性が悪化する。
●振とう法は簡便である。
●混合油の場合は炭素範囲毎に分けて定量できない。
●鉱油類の油類の判別はできない。
●赤外線の吸収があるC-H結合をもつ溶媒は抽出溶媒として使用できない。
●測定対象物質の組成に沿った標準(※)を用いる必要がある。
●TPH成分以外の影響は、カラム処理により軽減できる。
●振とう法は簡便である。
●混合油の場合は炭素範囲毎に分けて定量できない。
●鉱油類の油類の判別はできない。
●80℃で加熱して脱溶媒するため、この温度以下で揮発するガソリン等の低沸点成分は揮散し、測定できない。
●へキサン可溶性の有機物や硫黄化合物は正の誤差となるが、このうち動物油類はフロリジカルカラム処理により軽減できる。

注)標準とは
現場で漏出した疑いがある油を入手して使用することが望ましい。その油の入手が困難な場合は、市販される高濃度試薬または保証された市販の標準溶液(ASTM標準軽油(ASTM D 2887)など)を用いる。

油汚染調査・対策サービス

調査・分析サービス

資料等調査及び現地への踏査により汚染調査を行います。
また、試料を採取し、油臭・油膜の分析を行います。(TP|H分析含む)

調査・分析サービス調査・分析サービス
対策サービス

汚染状況に応じて対策工事をします。
予め設定した汚染目標値に対して達成する様々な手法をご提案、実施します。

  • 掘削除去
  • バイオレメディエーション
  • 酸化法
  • 石灰を利用した浄化工法
  • セメント再資源化
  • 土壌洗浄
  • 加熱処理
  • 溶融
  • ガス吸引

油汚染対策サービス

バイオレメディエーション

バイオレメディエーション

微生物を用いて汚染物質を分解する方法です。第一種特定有害物質だけでなく、油類の対策としても多く利用されています。浄化期間は長期に渡りますが、多くの場合、対策コストが掘削除去等に比べ抑えることができます。